No.35
2025/10/10
事業承継とは?

こんにちは!
名古屋をはじめ、愛知、岐阜、静岡を中心に経営コンサル、組織コンサルそして補助金申請サポートを行う株式会社マツリブの祭田です。
事業承継についてまとめてみました。
事業承継とは?
事業承継とは、会社の経営権や資産、人材、知的財産を次世代に引き継ぐプロセスのことです。
方法は大きく3つ。
| 親族内承継 | 最も多いパターン。社長の子どもや親族が後を継ぐ。 |
| 従業員承継 | 番頭格や幹部社員が引き継ぐ。近年増加傾向。 |
| 第三者承継(M&A) | 社外の企業や投資家に引き継ぐ。後継者不在企業の解決策として注目。 |
事業承継の準備
事業承継は突然できるものではなく、長期的な準備が必要です。
進め方をステップごとに整理すると以下の通りです。

1.現状分析
財務諸表や資産・負債の棚卸し、主要取引先、従業員構成などを可視化。
自社の強み・弱みを把握します。
2.後継者の選定と育成
親族、社員、外部候補の中から選び、少しずつ経営に参加させる。
最低でも3〜5年は育成期間を確保したいところです。
3.承継計画の策定
株式や事業用資産の移転方法、税務対策、金融機関との交渉を含め、計画を文書化。
専門家(税理士、中小企業診断士、弁護士など)のサポートが不可欠です。
4.実行と周知
社内外に説明し、経営権移転を段階的に行います。
幹部や取引先への情報共有を怠ると混乱の原因になります。
事業承継の成功の鍵
成功事例を見ると、早期準備と透明性が共通点です。
逆に失敗事例では「準備不足」「社内への説明不足」「税務トラブル」が多いです。
失敗事例
1. 準備不足の例
とある金属加工業のケース。
社長は「あと数年は元気だから」と承継準備を後回しにしていたところ、病気で突然入院。
銀行との借入契約は社長個人保証だったため、後継者候補の長男は経営を引き継ぎたくても保証人になれず、資金繰りが悪化。
最終的に取引先に事業譲渡する形でなんとか会社を存続させたが、条件は買い手主導で不利なものとなった。
2. 社内への説明不足の例
従業員30名規模の食品卸会社で、社長は長男を後継者に決めていたが、社員への周知をしていなかった。
社長が引退後、長男が社長に就任したが、現場から「経験不足だ」と反発が起こり、ベテラン幹部が数名退職。
主要取引先も不安を感じ、取引量を減らしたため、売上が2割減少。
教訓:承継前に社員向け説明会や、段階的な権限委譲を行い、社内の信頼を確保しておくことが重要。
3. 税務トラブルの例
地方の建設業で、自社株の評価が高騰していたにもかかわらず対策をしていなかった。
相続発生後に高額の相続税が課され、納税資金が不足。
一部の株式を親族外に売却することで納税資金を確保したが、結果として経営権が分散。
株主間で意見が割れ、意思決定に時間がかかるようになった。
教訓:生前贈与や事業承継税制の活用で、株式集中と納税資金準備を同時に行うべき。
計画的に進めることで、後継者が自信をもって経営を引き継ぎ、従業員や取引先の信頼も保てます。事業承継は経営者の最後の大仕事。知識を整理し、着実に進めましょう。
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