No.30
2025/04/07
トランプ関税とは?関税によって経済はどうなるのか?

こんにちは!
名古屋をはじめ、愛知、岐阜、三重を中心に経営コンサル、組織コンサルそして補助金申請サポートを行う株式会社マツリブの三浦です!
今回は連日ニュースでも取り上げられている関税についてです。トランプ大統領が関税を外交のカードにしていますが、単に外交のカードだけでなく経済に大きな影響を与える関税。世界経済や日本経済にどのような影響を与えるのでしょうか。
目次
トランプ関税とは何か?
トランプ関税とは、アメリカのトランプ大統領が導入した貿易政策で、中国や他国からの輸入品に高い関税を課すことによって、アメリカ経済を保護し、貿易赤字を削減することを目指したものです。この政策は、特に製造業の再生を目的としており、世界経済に大きな影響を与えました。また、関税の引き上げは消費者物価や企業のコストにも影響を与えています。
時系列で言うと、まず3月4日にメキシコとカナダからの輸入品に対して25%の関税がかけられました。
更に4月2日トランプ大統領は「経済独立宣言日」と称し、ほぼすべての輸入品に対して10%の基本関税を課すとともに、中国、欧州連合(EU)、ベトナムなど特定の国々に対してはより高い関税率を設定しました。 この新たな関税措置により、関税が適用される国は大幅に増加しました。
メキシコへ追加関税を行った理由
メキシコへの追加関税は、特に不法移民の流入を制限する目的がありました。トランプ大統領は、メキシコ政府がアメリカに向かう不法移民の流れを十分に抑制していないと主張し、その対応を強化させるための圧力手段として追加関税を導入しました。
また、トランプ政権は「アメリカ第一」の方針を掲げており、国内の製造業や労働者の利益を保護することが最優先されていました。メキシコはアメリカの主要な貿易相手国であり、多くの製品がメキシコから輸入されています。そのため、メキシコ産の製品に高い関税をかけることにより、アメリカ国内での製造業を支援し、貿易赤字を減らすことを狙っていました。
関税の対象となった製品は、自動車や農産物など多岐にわたります。特にメキシコ産の自動車部品や完成車がアメリカ市場に大量に輸入されているため、これらの製品に関税をかけることで、アメリカ国内の自動車産業を保護することが期待されました。しかし、この政策はメキシコとの貿易関係における緊張を引き起こし、両国の経済に悪影響を及ぼす可能性があるため、国際的には多くの批判も浴びました。
トランプ政権は、貿易の不均衡を解消することを目的としており、メキシコに対してもこの方針を徹底的に適用しましたが、関税を強化することがメキシコ政府に対してどれだけ有効に働くかについては疑問も残りました。最終的には、関税の導入がメキシコ政府に対する圧力となり、両国は移民問題についての合意に達したものの、関税はアメリカ国内の消費者に価格上昇などの負担をもたらす結果となりました。
メキシコへの追加関税によってアメリカ経済が受ける影響とは?
メキシコへの追加関税がアメリカ経済に与える影響は、主に輸入品の価格上昇と輸出の減少に関連しています。まず、メキシコからの輸入品に高い関税が課せられると、アメリカで流通する製品の価格が上がります。特に自動車や農産物など、メキシコから多く輸入されている製品の価格が上昇すれば、消費者にとっては生活費が増加します。
例えば、メキシコ産の自動車部品や完成車の価格上昇は、自動車産業のコストを押し上げ、最終的には消費者が支払う車両価格が高くなるため、消費が抑制される可能性があります。一方で、アメリカ企業の製造コストも増加します。
メキシコは多くのアメリカ企業にとって重要な製造拠点であり、追加関税によってメキシコから部品を輸入している企業はコスト増加を余儀なくされます。特に、自動車産業や電子機器などでは、製造コストの上昇が利益を圧迫することが考えられます。
また、メキシコはアメリカの重要な貿易相手国であるため、追加関税に対する報復措置が取られる可能性があります。これにより、アメリカからメキシコへの輸入品にも課税が課され、アメリカ企業はメキシコ市場で競争力を失うことになります。特に農産物や機械設備など、アメリカがメキシコに輸出する主要な製品群は影響を受けるでしょう。結果的に、メキシコへの追加関税はアメリカ国内での消費者負担を増加させ、製造業や輸出業者に対するコスト圧力を強め、アメリカ経済全体に悪影響を与える可能性があります。
カナダへの追加関税を行った理由
トランプ政権がカナダに追加関税を課した理由は、主にアメリカ国内産業の保護と不公平な貿易慣行の是正にあります。特に、鋼鉄やアルミニウムといった鉄鋼業界を中心に、アメリカの製造業の競争力を守るために関税が導入されました。トランプ大統領は、カナダから輸入される鋼鉄やアルミニウムがアメリカ市場で低価格で流通し、アメリカ国内の同業者が不利な状況に置かれていると主張しました。
このような背景から、関税を通じてカナダの輸出品にコストを上乗せし、アメリカ企業の競争力を強化しようとしました。また、カナダとの貿易不均衡を是正する意図もありました。トランプ大統領は、アメリカが他国と貿易戦争を行うことにより、アメリカの貿易赤字を縮小し、米国経済の利益を最大化しようと考えていました。このような観点から、カナダに対しても追加関税を課すことで、貿易不均衡を解消しようとしたのです。
さらにトランプ大統領は、自由貿易協定(NAFTA)を再交渉し、アメリカに有利な条件を引き出すための交渉カードとして関税を活用しました。カナダに対する追加関税は、その交渉を強化する一環としても行われたのです。このように、カナダへの追加関税は、アメリカの製造業保護と貿易の不均衡を是正するための政策の一環として、トランプ政権の「アメリカ第一主義」に基づいて実施されました。
カナダへの追加関税によってアメリカ経済が受ける影響とは?
カナダに対する追加関税は、アメリカ経済に多方面で影響を与える可能性があります。まず、アメリカにとってカナダは重要な貿易相手国であり、特に鋼鉄やアルミニウムも多く輸入しています。これらの素材は、建設業や自動車産業、製造業において重要な役割を果たしており、関税の影響でコストが増大すれば、最終的に消費者や企業に対して価格上昇という形で影響が出ます。また、カナダはアメリカにとって大規模な農産物輸出先でもあります。特に、乳製品、穀物、肉類などの農産物が多くあり、これらに対する関税が引き上げられることで、アメリカの農家や食品業界にも影響が及ぶ可能性があります。特に、農産物が輸出制限を受けると、収益の減少や取引先の多様化が求められることになり、企業側は新たな市場開拓のコストやリスクを負うことになります。さらに、カナダはアメリカのエネルギー供給源としても重要です。カナダから輸入される原油や天然ガスは、アメリカのエネルギー需要を支える重要な要素となっています。追加関税が施行されると、エネルギー関連のコストが増加し、これが製品価格に反映されることになります。
一方で、アメリカがカナダからの輸入品に対して関税を課すことで、アメリカ国内産業の競争力を一時的に強化することが狙いとされていますが、長期的にはコストの上昇が企業や消費者に負担をかけ、経済全体に負の影響を与える可能性もあるため、慎重な調整が必要です。
相互関税とはどのような制度なのか?
トランプ大統領が導入した相互関税は、アメリカが他国に対して関税を引き上げると、その国がアメリカに対しても同様の関税を課すという報復的な貿易措置です、特に米中貿易戦争で顕著で、アメリカは中国に対して追加関税を課し、中国はアメリカの製品に関税をかけるという形になりました。これは、アメリカの製造業や労働者を保護し、不公平な貿易慣行を改めさせる目的で行われました。
相互関税発表
2025年4月2日、トランプ大統領は全世界を対象とした相互関税の詳細を発表しました。発表された関税措置は、2段階で構成されており、まず一つは、全ての国の幅広い輸入品に課される10%の一律関税です。そしてもう一つが、アメリカの貿易赤字が大きい約60か国・地域に対する最大50%の相互関税です。
相互関税は、国や地域ごとに異なる税率を上乗せする形で設定し、日本については24%の関税を課すことを明らかにしました。
日本 | 24% |
英国 | 10% |
欧州連合(EU) | 20% |
中国 | 34% |
カンボジアやラオスなどの開発途上国 | 最大49% |
この関税発表を受け、各国から反発が相次いでいます。
しかし、アメリカの二大貿易相手国であるカナダとメキシコは多くの製品で既に25%の関税に直面しており、この日発表された追加関税の対象に含まれていませんでした。
さらに、2025年4月3日、トランプ大統領は、輸入する全ての自動車への25%追加関税を発動しました。これにより日本の自動車産業への打撃は避けられず、経済の悪化懸念が高まっています。
最近の投稿

トランプ関税とは?関税によって経済はどうなるのか?

2025年度ものづくり補助金について!2024年度との変更点もチェック

2025年注目!中小企業新事業進出補助金とは

補助金採択率が減少した原因と採択するためのポイント!
DXに関する取り組み

日本の自動車産業が抱える未来の壁:私たちが今知るべきこと
情報セキュリティ基本方針
M&A支援機関登録制度の遵守事項について

銀行の融資形態と種類を知ろう!経営者が押さえておきたい基本情報

人材不足を解消?雇用・人材に関する助成金!

補助金コンサルタントに依頼して本当に得する?4つのメリットとデメリット

岐阜県の経済を支える産業の秘密!陶磁器から自動車部品まで徹底解説!

私が子どもの幼稚園・保育園選びで気にしたこと!

製造業の補助金申請をサポートしてみて
