No.14
2024/06/08
人口減少が経済発展に及ぼす影響とは
こんにちは!名古屋、愛知、岐阜にて経営コンサルティング、補助金コンサルティング、組織コンサルティングを行う株式会社マツリブの三浦です!今回は人口現象が経済発展に及ぼす影響についてです。
硬い内容ですよね!(汗)
なぜこの内容を書こうかと思ったかと言うと、日本は少子高齢化、労働力不足とずっと言われていますよね。組織コンサルティングをしていると、人財不足に悩んでいる企業が多く業務に支障が出ている企業もあります。これから人口が減少し続けると言われる日本。
経済や生活はどうなるの?と思ったので調べてみることにしました。
目次
人口と経済成長は関係がある?
人口と経済成長に関係性があるのか?調べてみると・・しっかり総務省が調査していました。
総務省統計局HP「人口推計」より、日本の総人口は2024年5月1日現在(概算値)、1億2393万人で、前年に比べ55万(-0.44%)の減少となり、13年連続で減少しています。
人口の減少が与える影響についてまとめてみました。
(参考:総務省統計局https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html)
人口減少が経済に与える影響
戦後の日本経済は、人口増加の下で戦後復興から高度経済成長期、さらにはバブル経済期にかけて長期の経済成長を続けてきました。高度経済成長期の経済成長にあわせて1960年頃から1970年代前半にかけて三種の神器、3C(カラーテレビ・クーラー・自動車)といったような耐久消費財が家庭に普及していきました。しかし、戦後一貫して増加してきた日本の人口は2008年にピークを迎え、その後減少の一途をたどっています。
既に人口が減少している国の経済成長パターンをみると、人口増加率が鈍化するのに伴い、一人当たりGDPの成長率が鈍化し、その後輸出比率が高まるなかで、一人当たりGDP成長率も下げ止まり、持ち直しに転じています。
日本はピーク時からの人口減少が進む中、日本経済のプラス成長を確保できるよう、一人当たりGDPの伸びをこれまで以上に高めていく必要があると考えられます。
(参考:厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/05-2/dl/02-01-02.pdf)
(参考:日本総研https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=39582)
(図:日本総研https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/viewpoint/pdf/12907.pdf)
人口減少が労働力に及ぼす影響
生産年齢人口とは、生産活動の中心にいる人口層(15歳以上65歳未満の人口)のことを言いますが、人口減少はこの生産年齢人口による労働力率の低下など様々な課題の深刻化が懸念されています。
下記表は内閣府が出している、「令和4年版高齢社会白書」に掲載されている表です。
表を見ると、水色の生産年齢人口がどんどん減少していることが分かります。
(出典:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf)
世界の人口増減と経済発展
日本の人口減少について書いていきましたが、世界の人口と経済はどうなのでしょうか。
アメリカや中国、イギリスなど先進国、インドネシアやフィリピンなど発展途上国で人口によって違いがあるのか調べてみました。
世界の人口増減
国連の推計によると2015年の世界の人口(年央推計)は73億人で、2010年から2015年まで年率1.2パーセントの増加でした。2030年までに世界の人口は85億人に達し、2050年には97億人に増加するものと予測されています。
こうした増加のほとんどがアフリカとアジアで発生すると推測され、2010年から2050年にかけてはいくつかの国は人口減少を経験すると思われますが、他の国では人口の増加が続くと予測されています。
(引用:国際連合広報センター「人口と開発」https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/social_development/population/)
人口ボーナスと言う経済成長
人口ボーナスとは、子供と高齢者に比べ、生産年齢人口が多い状態を言います。
また、人口ボーナスという言葉もあり、人口ボーナスとは「支えられる人」が「支える人」を上回る状態を言います。人口ボーナス期は、一度終わると二度と来ないと言われています。
人口ボーナス期が終わると人口ボーナス期に入ることは、避けられない経済の流れになっているのです。日本においての人口ボーナス期は1990年代の高度成長期と言われています。
人口ボーナスを迎える東南アジアの高度経済成長
ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国であるフィリピンでは、人口減少が進む日本とは逆に、急激に人口が増加しています。人口ピラミッドを見ると綺麗な三角形であり、人口ボーナス期であると言えます。フィリピンの人口増加は今後も続き、2100年までは人口増加傾向が予想されています。
(参考:バックワイズ「人口爆発 フィリピンの人口増加と人口問題について」:https://backwise.jp/philippines-population/)
(図:統計ダッシュボードhttps://dashboard.e-stat.go.jp/pyramidGraph?screenCode=00570®ionCode=608&pyramidAreaType=1)
人口爆発が与える様々な影響
人口爆発とは、人口が急激に増えることです。
人口爆発は、経済が発展した先進国よりも、発展途上国に多く見られる現象です。このまま世界的に人口が増え続けると、どのような影響が発生してくるのでしょうか?
人口爆発が引き起こす経済問題
急激な人口増加は経済成長に産業が追い付かず、貧困層が拡大することになります。
例えば先述したフィリピンでは、国の1%が国の富の半分以上を保有しているといわれ、経済成長の恩恵を受けているのはマニラ市やセブ島などの都市に暮らす一部の人々だけと言われています。
(参考:国際NGOプランインターナショナル:https://www.plan-international.jp/special/meaning/poverty_philippines.html)
人口爆発が引き起こす環境での問題
た、急激な人口増加は環境破壊や資源の枯渇などの問題が発生します。
資源や食料を大量に消費しようとすると、無理な森林伐採や水産資源の乱獲などに繋がります。このような問題は、生態系を乱すだけではなく、資源を争う国同士の戦争に繋がる恐れも出てくるのです。
人口比率での生産年齢人口が高い国が発展する
日本の統計、東南アジアの統計を踏まえ過去の経済動向から推測するとフィリピンでは日本と同じ、高度経済成長を迎えることが分かります。資源や環境などの問題もありまっすが、戦後の日本と同じような現象が予想されます。
肝心となるのが、生産年齢人口の比率(15歳以上65歳未満)が高く、中でも若年層が多いことが経済発展のポイントとなります。
この課題をクリアするため、人口が減少する先進諸国では人工知能(AI)を活用することで労働力不足の解消を掲げています。経済の衰退が早いのか、人工知能の活用で新しい経済発展が生まれるのか。
私たちの子どもたちの未来がどうなるのか。今の私たちによって変わるのかもしれません。